フェーン・ルード・オム・ファイクリッド ~LeliantⅡ統合版~
「……馬鹿……」
リリアが、微笑んだ彼の顔に手を当てて言うと、
「ごめん」
言ってから、入り口を振り返る。
有無を言わさず、リリアを枕に押し付けるように唇を重ねてきた。
扉の、小さな音。
ゆっくりとリリアを放すと、
「大丈夫だ」
言って、起き上がる。
「今度はお前だ」
「……え?」
「俺のあまりの身持ちの固さに根を上げた。それで、お前なら大丈夫と踏んだ。
俺がこうしてお前を抱かないと、また薬なりなんなりして……まあ、お前も被害を受けるな」
と、端正な顔をしかめた。
「俺の子を産まないとなれば、お前は殺される。……最初からこういう事態を考えていたわけだ」
疲れたように寝転がるリュシオス。
「……唯一の救いは、相手がお前だということか……。
でも、子供ができたらあの国は滅びる」
「護るの?」
「……どうした?」
リリアは、彼の胸板に頭を置きながら、
「リュシー、王様たちのこと嫌いでしょ。どうしてそこまでするの?」
「……あの連中のためじゃない」
リリアの耳を撫でながら、言う。
「あの国の……民のためだ。国が滅びて困るのは、あの連中より国民だからな」
「……変なところだけ王族っぽいんだから。そんなんだから利用されるのよ」
「……ごめん」
「でも、そんなリュシーが好き」
「……リリア」
「何?」
「愛してる」
「うん……ねえ、リュシー」
「どうした?」
リリアは、リュシオスの上で身を起こして、
「抱いていいよ」
リュシオスが、息を呑んだ。
◇◆◇◆◇
リリアが、微笑んだ彼の顔に手を当てて言うと、
「ごめん」
言ってから、入り口を振り返る。
有無を言わさず、リリアを枕に押し付けるように唇を重ねてきた。
扉の、小さな音。
ゆっくりとリリアを放すと、
「大丈夫だ」
言って、起き上がる。
「今度はお前だ」
「……え?」
「俺のあまりの身持ちの固さに根を上げた。それで、お前なら大丈夫と踏んだ。
俺がこうしてお前を抱かないと、また薬なりなんなりして……まあ、お前も被害を受けるな」
と、端正な顔をしかめた。
「俺の子を産まないとなれば、お前は殺される。……最初からこういう事態を考えていたわけだ」
疲れたように寝転がるリュシオス。
「……唯一の救いは、相手がお前だということか……。
でも、子供ができたらあの国は滅びる」
「護るの?」
「……どうした?」
リリアは、彼の胸板に頭を置きながら、
「リュシー、王様たちのこと嫌いでしょ。どうしてそこまでするの?」
「……あの連中のためじゃない」
リリアの耳を撫でながら、言う。
「あの国の……民のためだ。国が滅びて困るのは、あの連中より国民だからな」
「……変なところだけ王族っぽいんだから。そんなんだから利用されるのよ」
「……ごめん」
「でも、そんなリュシーが好き」
「……リリア」
「何?」
「愛してる」
「うん……ねえ、リュシー」
「どうした?」
リリアは、リュシオスの上で身を起こして、
「抱いていいよ」
リュシオスが、息を呑んだ。
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