ショコラ
*****

 翌日、15時にマサさんとの待ち合わせの公園に向かう。
寒いので、コートとマフラーをバッチリ着込んで。

マサさんはもう来ていて、私を見つけてほほ笑んだ。
白い息が顔の周りに広がって、
なんだか寒そうだなぁと、ちょっとかわいそうに思えた。


「こんにちは」

「やあ。悪かったね。呼び出して」

「いいえ。嬉しいです」


ベンチの、マサさんの隣に腰かけると、彼はケーキの入った箱を見せた。


「今日は、食べれそう?」


悪戯っぽい笑顔に、思わずつられて笑ってしまう。


「はい」

「よかった。コーヒーも持ってきたんだ。ほら」


水筒を取り出して、片目をつぶって見せる。
まるでピクニックみたいで、嬉しくなってきた。
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