ショコラ


「詩子はああいう性格だから、気を使われるのは好きじゃないと思う。
頼られるのが好きだからさ、良かったらたまに相談してやってよ」


その言葉を聞いて、マサさんは詩子さんの事を良く分かってるんだなぁと思った。
ちょっとだけ胸がチクリと痛む。

嫌だなぁ。
そんなふうに思う資格、自分にはないのにね。


「でもさ」

「え?」

「無理しなくてもいいよ」

「マサさん」


マサさんは、いつの間にか真剣な顔になっていて、私の腕を軽く掴んだ。


「和美ちゃんがもう辛いって思ったら、いつでも俺に頼ってよ」

「マサさん?」

「俺……」


なんだろう。
マサさんの視線が強い。
なんだか、胸の奥がざわざわする。

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