ショコラ
代わりに詩子さんがやってきて、
悪戯っぽい顔でほっぺを触った。


「……赤いですか?」

「赤いわねぇ。なんか青春って感じだわよ」

「はは」


思わず笑い声が出てしまった。
詩子さんは私の顔を見て、安心したように笑った。


「後でゆっくり聞いてあげるわよ。もちろん、話したければだけどね」

「はい」


その詩子さんも、お客さんに呼ばれてそっちへ向かった。


私はぼんやりとその光景を見ながら考えた。

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