ショコラ
「大丈夫だった? なんか顔変だよ」
「あ……」
心配そうに、私を覗きこんでくる詩子さん。
優しくて強くてしっかりしてる素敵な人。
こんな風になりたかった。
そんな憧れの人が相手じゃ、敵う訳もない。
「大丈夫、です」
「マサが、和美ちゃんが元彼と出てったとかいうから、心配したよ」
「……私」
私と詩子さんが話しているのを見て、
マサさんが静かに店内に戻っていく。
その背中を見てるだけで、胸が詰まっていく。
「詩子さんは、……マサさんが好きなんですか?」
「は?」