ショコラ
思わず漏らした言葉に、詩子さんが眉をひそめる。
本当に何を聞いてるのって思う。
だけど、胸が痛い。
嫌だって思う。
マサさんが、詩子さんを好きなのかと思うだけで、胸が潰れそうなほど。
詩子さんは探るように私を見て、溜息を一つついた。
「……そうだと言ったらどうするの?」
いつもより、冷たい声。
途端に怖くなって私は俯く。
でも詩子さんは私の両腕を掴んで顔を合わせようとした。
「和美ちゃん。もしあたしがマサを好きだったらどうするの」
「どうって……」
「なんでそんな事を聞くの?」
「それは……」