ショコラ

それは、……好きだから。
マサさんの事が、好きになってしまったから。
詩子さんがマサさんを好きだったら、嫌だから。


「私、……マサさんが好きになっちゃったんです」


震えるような小さな声は、詩子さんに届くだろうか。


「徹にきっぱりさよなら言ってきたんです。
そしたらもう、マサさんの事しか、考えられなくなったんです」


自分の気持ちばっかり詩子さんにぶつけてしまってる。
何してるの私。
どうしたいの。

本当に伝えなきゃいけないのは詩子さんじゃない。

そうだよ。

マサさんが誰を好きでも関係ない。
私の気持ち、伝えなきゃいけない人はマサさんだ。

< 80 / 89 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop