ショコラ
それは、……好きだから。
マサさんの事が、好きになってしまったから。
詩子さんがマサさんを好きだったら、嫌だから。
「私、……マサさんが好きになっちゃったんです」
震えるような小さな声は、詩子さんに届くだろうか。
「徹にきっぱりさよなら言ってきたんです。
そしたらもう、マサさんの事しか、考えられなくなったんです」
自分の気持ちばっかり詩子さんにぶつけてしまってる。
何してるの私。
どうしたいの。
本当に伝えなきゃいけないのは詩子さんじゃない。
そうだよ。
マサさんが誰を好きでも関係ない。
私の気持ち、伝えなきゃいけない人はマサさんだ。