ショコラ

「マサ、休憩行ってきなさいよ。今空いてるから。話があるみたいよ、和美ちゃん」

「え。ちょっと詩子さん」


いきなり話を振られて、焦って答えると、詩子さんはにやりと笑って片目を閉じる。


「こういうのは勢いが大事なのよ」


詩子さんはそう言って、文句をつけようとしているマスターを押しのけてマサさんをカウンターから追い出した。
私は目の前に残ってるケーキとコーヒーを見ながら途方にくれた。


どうしよう。
これはどうしたらいいの。


「後でまた出してあげる」


詩子さんは手早く下げて、私の事まで店の中から追い出した。

相変わらずすごいペース。
詩子さんから見たら、私がやってることってきっとすごくもどかしく見えるんだろうなぁ。
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