<改>桜ヶ丘物語
鼓膜を揺らす怒鳴り声。

腕を掴む力が強まって、思わず顔をしかめた時、


「はぁーい、そこのサクラ生。これ以上騒いだら学校に連絡しちゃうよぉ?」


場違いなほど陽気な声が、天から降って来た。



見上げた先にキラキラと光る黄金色。
その顔は、逆光になっていてはっきりと分からない。


でもきっと、ニヤニヤと人を馬鹿にしたような、それでいて少年のように楽しそうな表情を浮かべているんだろう。


いつものように。


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