一緒Ⅱ
今にも気絶しそうになり私は瞼を静かに閉じた。

これで楽になるかもしれないと望みまでかけていた。



 ばきっ



不意の音に瞼は開き、私は涙を引っ込めた。
実際には涙なんてひと雫も流れてなかった。
私は乾ききってる。




「おまえらええ加減にしいや~!」



誰?

なに?

なんなのと騒ぐクラスメイトがそこにいた。

私だけが音の意味もなにもかも知っていた。




「猫っ…」



戸惑いはざわめきに溶けて消えた。





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