一緒Ⅱ
「…堪忍」



“堪忍”

と猫の呟きが頭に響く。

「───ッ」

猫に腕を振り上げれば身体ごと抱きしめられてしまう。

掴まった私の胸に熱いなにかが込み上げて涙が流れてしまいそうだった。

だけど泣き方なんて知らない私は泣かないでただ心臓の音に瞼を閉じた。

猫に会わなきゃよかったと私は後悔して気を張っていたから眠ってしまった。







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