一緒Ⅱ
目を覚ますと顔の真上に教科書が映る。



「あ-起きた」

「?」

「ああええよ、まだ起きなくて、ああも-話聞けちゅ~ねん」

悪態吐く猫から私は起き上がり離れて体育の教師だけが使う部屋の椅子に手を掛けた。




 ばさっ






「座るより聞いてや?」



弱々しい猫の囁きに私は椅子から手を放してじりじりと近づく猫から一歩後退りした。

距離を縮めたら私はおかしくなってしまう。

そんな気持ちから猫との距離は小さく離れてゆく。

さっきわざと落下させ気を引いた教科書を猫は踏んで私に飛び掛かった。
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