茜なる焔の旗
「あんな速度、いくら補整したって当てられっこないよ」

 追うのを諦めた仁志がぼやく。

「ホムラの管制能力じゃあ、無人でも戦闘機を撃ち落とすなんて不可能だよ」

 その言葉に、第2機銃手の1年生河合真白が噛みつく。

「何言ってんの。対空機銃ってのは、狙って当てるものじゃないのよ」

 次の編隊をレーダーサイトの端に認め、真白は機銃を水平に向ける。

「よく見てなさい。対空機銃ってのは…」

 後方から現れた無人戦闘機の行く手を塞ぐように、弾幕を張る。

 ドオオオォォォン!

 誘われるように無人機が火線に飛び込み、次々と火ダルマになる。

「先手を打つもんよ!」
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