茜なる焔の旗
『隕石の落下速度を計算してみたけど、えらく速いぞ。もたもたしてらんない』

 フューリーの言葉には焦りが含まれている。

『カタパルト搭乗。大きさは?ハンマーで壊せるんだろうな』

 一孝も真面目な声になる。

 重力ハンマーとは、雅の腕から発生する重力波を収束して撃ち出す、弘明が発案した技だ。

 かつて戦艦投げなどという荒業をやってのけて以降、隕石や小惑星の対処はホムラの正式任務となっている。

 しかし、いちいち艦艇出撃していては、効率が悪すぎる。

 そこで、艦載機である雅や鵲が単体で隕石を撃破できないかと、弘明が考え出したのだ。
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