茜なる焔の旗
『駄目だと言われたものをどうこう言っても始まらん。それより、今は隕石の撃破だ』

 弘明の声に、一孝もそれ以上は言えない。

『カタパルト起動よし。風向、風力計測』

 二人のやりとりをよそに、フューリーは淡々と操作を進める。

『一孝、発進したらすぐに重力ハンマーの体勢に入って。静止して構えてるヒマはないかも』

 フューリーの声は真剣そのものだ。

 ホムラと精神で繋がっているフューリーは、衛星との直接交信できる。

 そのため、状況が切迫していることを誰より理解していた。

「制動かけずにハンマー撃つなんて、かなり危険だな」
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