現実RPG
「……」


再びゆっくりと辺りを見渡す拓馬。すると、少し離れた所に、丘があった。


拓馬は走って丘に向かい、一番上まで全力で駆け上った。


そこから見える景色に、拓馬は再び恐怖を覚えた。


「なんだ……」


町の外が見える。そこは一面、草原。はるか遠くに、大きな洞窟のようなものが一つだけある。


「俺を、どうしようってんだよ!」


草原に向かって叫ぶ拓馬。そのとき、ふとさっきの紙に書いてあったのを思い出した。


『あなたが立っているのは、ゲームの中となっております』


急に全身に鳥肌が走り抜ける。そのとき、牛丼屋の駐車場でやりとりした電話の内容を思いだした。


『いってらっしゃいませ』


その言葉の後、急に気を失った。気がつけば、民家のベッドで目が覚めた……
< 10 / 202 >

この作品をシェア

pagetop