現実RPG
安堵の息と同時に剣を構える拓馬。


攻撃さえ受けなければボーンなら、鋼の剣があれば倒せる。そのときだった。


ガシャ、ガシャ……


再びする、背後からの音。音の方に神経がいく。


くそっ!またかよ……どっちだ……ボーンか、ボーンナイトか……


そのとき、目の前のボーンが拓馬の腹部目掛けて切りかかってきた。


「わっ!」


紙一重でそれをかわすと、再び意識を集中させた。


ボーンと言えど、攻撃が鎧の割れた部分にヒットすれば、命は無い。


拓馬はすぐに、ボーン目掛けて切りかかった。


しかし慌てることから攻撃が鈍くなり、ボーンに剣で防がれてしまう。


そうしている間にも、だんだん近づいてくる背後の音。


「くっ!」


再び、切りかかる拓馬。しかしボーンに当たらず、剣で防御されてしまう。


焦れば焦るほど、鈍くなる動き。その上、極限の疲労。


そのとき、拓馬はチラリと後ろを振り返った。


「あ……」
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