現実RPG
本当に、ゲームの中の世界なのか……


「そんな非現実的なことが、有り得んのかよ……」


拓馬は半信半疑になりながら丘を降りると、再びさっきの少年のところへ走った。


「おう、拓馬。お前、今日は王様に会うんだろ。早く行けよ」


さっきと全く同じだ。拓馬は、少年に駆け寄った。


「ドッキリかどうか……確かめてやるよ」


拓馬はニヤッとしながらそう呟くと、突然少年の左頬目掛けて拳を繰り出した。


あと1センチ進めばヒットというところで、拓馬は拳をピタリと止めた。


「嘘……だろ……」


少年は、拓馬の拳に対して臆するどころか、何の反応も示さなかった。


「くっ……ナメやがって」


怒りを感じた拓馬は再び拳を振りかざすと、今度は少年の頬にめり込ませた。


少年は、勢いよくその場に倒れた。
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