現実RPG
ゆっくりと、謝る竜太。その表情には、誠意が籠もっていた。


「俺の方こそ、ゴメン……」


拓馬も冷静さを取り戻すと、竜太に向かって頭を軽く下げ謝った。


何も話さず、ゆっくりと歩き出す二人。


長い沈黙が走る。その沈黙を破ったのは、拓馬だった。


「なぁ、竜太」


「なんだよ?」


「一つ、聞いていいか」


「ああ」


「この世界の住人は、瞬きしなくても平気なのか?っていうか……意志、持ってないのか?」


「ああ。元々は、みんな持っていたんだけどな」


「どういう意味だ?」


「拓馬。何のために、アークデーモンと戦っているのか、覚えてるか?」


「いや……」


覚えていると言うか……拓馬はそう言いかけたが、再び仲間割れが起こることを思い、言い留まった。


「最初に会った王様が、姫を救ってくれって言ってた」
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