現実RPG
「ハァ、ハァ……」


息が続かなくなる拓馬。


「どうした、拓馬?息が荒れてんじゃねぇか」


「うるせぇ、気のせいだ」


そう言うと、拓馬は竜太目掛けて切りかかった。


竜太はそれをサッと避けると、拓馬の腹部に蹴りを入れる。


「ぐっ!」


痛い。それでも表情には出さず、スッと剣を構える拓馬。


「どうした?拓馬。動きが鈍くなってんぞ」


「黙れ!」


再び、切りかかる拓馬。


その剣をサッと避けた竜太は、拓馬の腹部目掛けて切りかかった。


バキ!


「うっ!」


竜太の剣が、拓馬の腹部の鎧に再び命中する。


あまりの痛みに、拓馬は自分の腹の辺りに目をやった。


「え……」


鎧に、ヒビが入っている。


幾度と重なる腹部への攻撃に、少しずつ鎧が悲鳴を上げていたのだ。
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