現実RPG
「おーい、聞こえるか!俺は降りる!金はいらねぇ!だから、早く帰してくれ!」


しかし、何も応答が無い。


「どうやって外とコンタクト取るんだよ……」


そう呟いた拓馬は、再び空に向かって叫ぶ。


「おーい!聞いてんのか!早く帰せよ!降りるって言ってんだろ!」


やはり、応答が無い。


拓馬は走って最初の民家の中に入ると、自分が寝ていたベッドをしらみ潰しにあさった。


しかし、手がかりは何も無い。


後ろには、お爺さんが立っていた。


「さぁ、行ってこい」


その言葉に、振り返る拓馬。


「おい、ジジイ。お前らのしてる事、わかってんのか。これは立派な犯罪だ。監禁罪だ!俺を帰せって言ってんだよ!」


乱れた呼吸でそう叫ぶ拓馬。


このお爺さんも、よく見ると瞬き一つしていなかった。


怖くて涙が流れてくる拓馬。


「帰せって言ってんだよ!」


それでも、虚勢を張って叫ぶ拓馬。


「さぁ、行ってこい」


「くっ……」
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