現実RPG
「……え?」


ルカが、こちらに向かって剣を振っている。


胸部から腹部にかけて切られた拓馬は、うつ伏せにバタリと倒れた。


胸部はまだしも、鎧が無い腹部からは血が流れていた。


「どうして……」


ルカを見上げ、震える声で言う拓馬。


「お疲れ様」


ニヤッと微笑むルカ。その表情に、初めて拓馬は気づいた。


「お前……」


拓馬の表情が消える。


「バカだねぇ。私が、モノマネだよ」


クスクスと笑いだすルカ。


「許さねぇ……許さねぇ!」


歯をくいしばり、必死に立ち上がろうとする拓馬。


だが竜太からのダメージもあり、もはや気力だけでは立ち上がることができなかった。


涙が溢れる、拓馬。


「悔しい?そりゃー悔しいよねぇ。仲間を自分の手で殺し、敵を守ったんだからね」


倒れている拓馬の顔をガッと蹴飛ばすルカ。


「バーカ。じゃあ、そろそろ死んでもらいましょうか」
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