現実RPG
「助かった!あそこに隠れるぞ、拓馬!」


急いで森林に身を潜める竜太。わけがわからず、拓馬も入って身を潜めた。


「なんだよ、竜太!」


「拓馬。よく、見ろ」


竜太が指差す方向に、拓馬はゆっくりと目をやった。


しばらくすると、音の持ち主がゆっくりと姿を現す。


「なんだ、あいつ……」


思わず、呟く拓馬。確かに、見た目はボーンナイトだ。


しかし、色が違う。薄い赤色をしていて、盾を持っていない。


剣を片手に持ち、ガシャガシャと音を立てて歩いている。


「ソルジャーだ」


竜太の声が、少し震えていることがわかった。


そのとき、竜太の言葉を思い出す拓馬。


「あいつが、ガイコツ系の最上級兵……」


じっくりと、その姿を目に焼き付ける拓馬。


……強い。見ているだけで、わかる程だ。


まるで、殺気のオーラが出ているようだった。


「鎧を着ていたらまだしも……あいつと戦ったら、無傷ってわけにはいかない。今の俺たちじゃ……間違いなく、殺される」


竜太のその言葉に、生唾を飲む拓馬。


しばらくすると、ソルジャーは見えなくなった。


それを念入りに確認した竜太は、森林を出た。
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