現実RPG
いつの間にか、町は目の前だった。


二人は中に入ると、すぐに武器屋へ行き、新しい防具を買った。


「そうだった。この町に、用があったな」


竜太はそう呟くと、一つの家へ向かって歩き出した。何の用かはわからないが、とりあえず後に続く拓馬。


「拓馬、この家に入ってみろ」


竜太が指差した家は、ごく普通の町の民家だった。


拓馬は言われるがまま中に入った。


そこには、タンスやクローゼット、ベッドがある。


特に、他の家の中となんら変わりはない。


「どうだ?懐かしいか?」


竜太が、拓馬に向かって言う。


「え?懐かしいって?」


竜太にそう言われてみると、この家の中はどこか懐かしい気がした。


この、ベッド……ずっと昔、ここで寝ていたような気がする。


「ああ、なんか……懐かしい……気がする……」


なぜ、懐かしいのかはわからない。


しかし、確かに感じる。


ここに、自分がいた思い出が……
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