現実RPG
再び家の外に走りだす拓馬。城の前に着くと、壁にもたれかかった。


「フー、フー」


目を大きく見開き、深呼吸を繰り返す拓馬。


10分程過ぎた頃、拓馬はだんだんと冷静さを取り戻した。


ゆっくりとポケットの紙を取り出した拓馬は、再び文章に目を通した。


「ゲームオーバーはございません……」


その一文に目が留まり、拓馬はボソッと呟いた。


「つまり、後には退けねぇってことかよ……」


再び歩き出した拓馬は、さっきの少年にぶつかった。


「痛!」


「おう、拓馬。お前、今日は王様に会うんだろ。早く行けよ」


「……」


「おう、拓馬。お前」


「わかったよ!やりゃーいいんだろ、やりゃー!」


少年が言い終える前にそう叫んだ拓馬は、城の中に向かって走った。
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