現実RPG
「剣がねぇと、どうしても倒せねぇのか?」


「わからねぇ……」


「……」


しばらく、沈黙が走る。


急に、拓馬が竜太に声を掛けた。


「まぁ……無ぇもんは仕様がねぇ!やるだけ、やってみようぜ」


「お前は、事の重大さがわかってねぇ……」


「でも、無ぇもんはどうしようもねぇじゃねぇか」


「まぁ、そうだけど……」


「やるしかねぇよ、この状態で!」


笑って竜太に言う拓馬。


「急に、自信満々じゃねぇか……どうしたんだよ?命が懸かってんだぞ」


その言葉に、少し表情が歪みそうになる拓馬。


「要は、負けなきゃいいんだろ。大丈夫だ。いざとなりゃ、お前だけは守ってやるよ」


拓馬は竜太にモノマネから助けられたとき、心にそう誓っていた。


これまで何度も、竜太に助けられた。もう、弱い所は見せられない。見せたくない。


「……よく言うぜ、ボーンナイトにビビッてた奴が」
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