現実RPG
「強すぎるよ、こいつ!」


叫ぶ拓馬を無視して、さらに攻撃を繰り出そうとするソルジャー。


「くっ……仕方ねぇ」


竜太は遠くからソルジャーの背中に、手のひらをかざした。


「ファイアーボール!」


竜太のその言葉と同時に、竜太の手からはサッカーボールくらいの炎の玉が現れた。


バン!


ソルジャー目掛けて銃弾のような速さで飛んだ炎の玉は、ソルジャーの背中から胸元にかけて直撃した。


その出来事に、ポカンと口を開ける拓馬。


ソルジャーの胸元はポッカリと穴が開き、バタンと倒れるソルジャー。


「竜太……お前……」


「なんだよ?」


「魔法が、使えるのか?」


「当たり前だ。言ったろ、炎魔法使いだって」


「なんで、もっと早く使わなかったんだよ?」


「そんなことも、忘れちまったのか……」


ため息をつき、拓馬に歩み寄る竜太。


「いいか、魔法が使えるのは一回だけだ」


「どうしてだよ?」
< 163 / 202 >

この作品をシェア

pagetop