現実RPG
「くっ……」


悔しそうな表情を見せる竜太。


「間違った報告しやがって、あの出来損ないが……!」


「部下は俺の様子を、ボスに報告してる可能性がある。俺は突発的に、その考えに行き着いた。だから、ちょっと芝居させてもらったよ」


満足気に語る拓馬。


「バカと思っていたが、なかなか頭が回る奴だったか。だが、勝った気になるなよ、拓馬。俺は、今までの戦闘で全力を出していない。ソルジャーより弱いお前ごときに、負けるとでも思うか?戦えたところで、何の意味も無い」


そう言うと、竜太はスッと剣を構えた。


「俺は、お前を許さない。やってみなくちゃ、わかんねぇだろ」


拓馬も、剣を構える。


「竜太……最後に、一つ聞かせてくれ」


「なんだ?」


「竜太……その名前は、本名か?」


「お前が、拓馬って変わった名前してるだろ。それに合わせた、偽名だ」


「本名は?」


「ルイだ。通称、アークデーモン。この世の、新しい支配者だ」
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