現実RPG
拓馬がそう叫んだとき、ルイは突然剣をしまい椅子に座った。


「……なんだ、コラ。ルイ、何してんだよ?」


剣を構え、ルイに向かって言う拓馬。


「もう、いい。ザコ相手じゃ、テンションが上がらねぇ。おい」


ルイは両サイドに立つソルジャーに目で合図した。


その瞬間ソルジャー全員が、拓馬目掛けてゆっくりと歩いてくる。


「おい……きたねぇぞ、ルイ!」


慌てる拓馬。


「お前なんか、こいつらで充分なんだよ」


ルイはそう言うと、再び不気味な笑みを浮かべた。


「くっ!」


剣を構え、辺りをキョロキョロする拓馬。


ソルジャーは、軽く十体はいる。とても、相手にできる数じゃない。


「さぁ、何秒もつかな?」


手首にあごを乗せ、笑いながらその光景を見ているルイ。


「……」


と、その途端、拓馬は剣を下ろした。驚くルイ。
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