現実RPG
「……どうした拓馬、降参しても殺すぞ」


「試してみるしか、ねぇか……」


「は?」


突然、天井に向かって拓馬は叫んだ。


「いでよ、大魔法の剣!」


その言葉に、辺りは静まり返った。


「ハハハハ!だから、言っただろ拓馬!石が五個無いと」


ルイがセリフを言い終える前に、拓馬のポケットが輝き始めた。


「え?」


唖然とするルイ。


「ルイ。呪文は、合ってるよな?」


その言葉と同時に、拓馬は左ポケットから石を取り出した。五個、ある。


「お前……なんで……なんで、光の石を持ってるんだよ!」


光輝いた石は、たちまち剣の形になった。


それをグッと握る拓馬。剣を持つだけで、パワーが湧いてくる気がする。


「なんでって?死にゆくお前に、説明しても仕方が無い」


拓馬はニヤッとすると、ルイにさっきの言葉を言い返した。


そのとき、周りのソルジャーが拓馬目掛けて切りかかってきた。


「さてっ、どれほど強いかな」
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