現実RPG
息が、切れている。



ルイの攻撃が速くなったのではない。拓馬の体力が無くなってきたのだ。


「くそ……」


立ち上がろうとする拓馬。


その拓馬の喉元に、サッと剣先を近づけるルイ。


「うっ……くそ……」


「お前の、負けだ」


「まだ、負けてねぇ」


「気づかないのか?お前と俺では、体力が違いすぎる」


「うるせぇ!」


そう叫んだ瞬間、喉元に突きつけられていた剣を剣で掃った。


その衝撃に一瞬ヨロッとするルイ。


その隙に拓馬は立ち上がり、再びルイに向かって剣を両手で構えた。


その状況に、何の焦りも示さないルイ。


「わからないのか?これ以上やっても、無駄だ」


そう言うと、ルイも拓馬に向かって剣を構えた。


「くっ……」


そのルイの姿に、拓馬は恐怖した。


確かに、体力が違いすぎる。このままでは、殺されてしまう。歯をくいしばる拓馬。


「どうしたらいいんだ……」
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