現実RPG
そう呟いた瞬間、再びルイが攻撃を仕掛けた。


拓馬の腹部目掛けて、切りかかってくる。


「わっ!」


それを必要以上に大きく剣で防いでしまう拓馬。


鎧が無い以上、切られては助からない。


「ザコが」


ルイがそう呟いた瞬間、拓馬の顔面にハイキックを叩き込んだ。


「ぐっ!」


再び、仰向けになって倒れる拓馬。


口の中が血の味でいっぱいになった。


「死に怯えて、すでに戦えないのか。どこまで、臆病になったんだよ」


そう言って、倒れる拓馬目掛けて剣を掲げた。


「じゃあな、拓馬」


その光景に、ガタガタと震える拓馬。怖い。


でも、キックの衝撃に脳が揺れ、動けない。意識が朦朧とする。


「ハハハハハ!ブザマだな!」


必死に逃げようと少しずつ後ずさる拓馬。


「そうだ。死の、カウントダウンでも、しようか。10秒やる。念仏でも、唱えるんだな」


「くそ……」


恐怖と悔しさに、涙が溢れてきた。
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