現実RPG
激しい音と共に、ルイの体は勢いよく吹っ飛んだ。


着ていた鎧は粉々に砕け散り、仰向けになって倒れている。


「ぐっ……」


拓馬はゆっくりと立ち上がると、ルイの元に向かった。


ルイも、ヨロヨロと立ち上がる。


「お前……記憶が、戻ったのか……」


「わからねぇ。ただ、俺が俺に呼びかけてきたんだ」


フラフラとするルイ目掛けて、勢いよく切りかかる拓馬。


「おおおおお!」


ルイは剣で防ごうとした。


しかし防ぎきれず、拓馬の剣はルイの肩からわき腹にかけて引き裂いた。


「ぐわあああ!」


ルイは悲鳴と共に、その場に倒れた。


「くそ……油断さえ……しなければ……」


ルイはだんだんと薄くなり、消え去った。


「勝った……のか……」


拓馬はその途端に力が抜け、ヒザから崩れ落ちた。


ルイに切られた傷が、思ったより効いていた。


「フー、フー」
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