現実RPG
ゆっくりと呼吸を繰り返す拓馬。


そうしているうちに、だんだんと目の前が真っ白になっていった。


「うっ……」


ふと目を開けると、そこは車の車内だった。


「えっ?」


飛び起きると、拓馬は自分の体を見た。


ルイにつけられたはずの傷が、無い。


それどころか、痛みや疲れすら無かった。


キョロキョロと辺りを見渡す拓馬。


隣には、牛丼屋がある。だんだん、意識がはっきりする拓馬。


自分の車の中だ。求人広告を手に持っている。


「……え?」


わけがわからない拓馬。


「……夢?」


いや、夢のはずがない。あまりにも、はっきりとしすぎている。


「アークデーモンを倒したから、元の世界へ帰ってこれたのかな……」


頭をポリポリと掻きながら、そう呟く拓馬。


「とりあえず……助かった……」


拓馬はそう言いながら、安堵の息を吐き出した。


「あ!そういえば……金!」
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