現実RPG
「くそ……頼むよ……夢にしてくれよ……ゲームの中で、死ぬのかよ……」


流れる涙。前が滲む。


「わぁぁぁぁ!」


そう叫び、持っていた木の枝をガイコツ目掛けて精一杯投げつけた。


しかし、あっさりと剣で払われる。その瞬間、再び走り出す拓馬。


「死んでたまるか!こんなとこで!」


泣きながらふらつく足を堪えて全力で走る。


ガシャガシャと追ってくる音が聞こえる。


しかし拓馬は振り返らず、ひたすら走った。


「うわぁぁぁ!」


転びそうになりながらも全力疾走する拓馬。


いつの間にか、辺りは森林に囲まれていた。


「しめた!」


ある程度進んだ所で、木を利用して身を潜める拓馬。


ガシャガシャとガイコツの鎧の音が聞こえる。


その音がする度、ガクガクと震える拓馬。


心臓が尋常じゃない速さで動いている。


「やべぇ……見つかったら、殺される……」


そのとき、拓馬の背後に気配を感じた。


「あ……」
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