現実RPG
ビクッとして振り返ると、そこには子猫がいた。


「なんだ……」


安堵の息を漏らし、その場に座り込む拓馬。


その瞬間、子猫は目を真っ赤に光らせ物凄いスピードで拓馬に飛び掛かった。


「わっ!」


間一髪で避けた拓馬。


「危ねぇー……こいつもかよ……」


子猫は木にぶつかると、再び拓馬目掛けて襲いかかる。


「わっ、ちょっ!」


再び身をかわす拓馬。立ち上がると、再び走り出した。追ってくる子猫。


「RPGだろ!攻撃は、一ターン一回じゃねぇのかよ!」


そう叫びながら森林を出た拓馬は、さっきの町に向かって走り出した。


「ハァ、ハァ……」


息が切れてきた。そのとき、子猫は拓馬の前に回りこんだ。


「畜生……」


息を整える拓馬。足元の木の枝を拾い、子猫に向ける。
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