現実RPG
と、再び広告を手に取りパラパラとめくる。


「……ん?なんだ、これ?」


広告の1ページに、不思議な記事を見つける拓馬。


「RPGの主人公、募集。先着、1名様。クリアすれば、1000万……1000万?!」


目を大きく広げた拓馬は、すぐに携帯電話を取り出し掲載されている電話番号を押した。


プルルルル、プルルルル……


「もしもし」


受話器の向こうから、機械のような声が聞こえる。


「もしもし!広告を見て電話させてもらったんですけど……もう、決まりましたか?」


「いいえ、あなたが最初のお客様です」


「よかった……クリアしたら1000万って、本当ですか?」


「はい、もちろんです」


「おお、すげー」


テンションが上がる拓馬。


「やりますか?」


「え?」


受話器越しのその機械ボイスに、少し不気味になった拓馬は、用心して聞いた。
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