現実RPG
熊は、急に拓馬に襲い掛かった。


右手をかざすと、拓馬目掛けて勢い良く振り下ろした。


「くっ……」


それを剣で止めると、拓馬は熊を胸部から腹部にかけて斜めに切った。


熊からは血が流れる。が、鎧のせいでダメージは薄く、倒れない。


「くそっ」


再び剣を振る拓馬。


しかし熊の手の方が速く、次の攻撃が拓馬の肩にヒットした。


その衝撃と同時に吹っ飛ぶ拓馬。


しかし、鎧には傷一つついていない。


「いける!勝てる!」


拓馬は立ち上がると、再び熊に剣を振る。


腹部目掛けて横に振った拓馬の剣は見事に当たり、熊は雄たけびと共に倒れて消えた。


そこには1000円が落ちていた。


「フー……」


安堵の息を漏らす拓馬。金を拾うと、再び洞窟を歩きだした。


10分程歩くと、出口が見えてきた。


「外だ……」
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