現実RPG
『聖なる扉を開けたければ、ここから』


「わかってるよ!とりあえず、入れろ!」


『聖なる扉を開けたければ』


「くそ!」


拓馬は、扉に向かって勢いよく蹴りを繰り出した。


しかし、ビクともしない。焦る拓馬。


「どうすりゃいいんだよ……」


キョロキョロと辺りを見渡す拓馬。


前の町のときみたいに、近くに森林はない。隠れる場所がないのだ。


「あ、そうだ!」


拓馬は、突然南へ向かって走り出した。


遠回りになるが、視界に入らないようグルッと回って行こうとしたのだ。


ガイコツは、一直線に小屋へ向かっている様子だ。


この方向から行けば、ガイコツは、やり過ごせる。


「ハハハ!ナイス、アイデアだ!」


そう思いながら10分程駆け足で走っていると、拓馬の後ろから音がする。


「え……」


ふと、立ち止まる拓馬。


ガシャ、ガシャ……


振り返ると、そこにはガイコツの姿が小さくあった。


「なんでだよ!」
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