現実RPG
痛い。


鎧が割れているのがわかる。


両手で全身を支え、体を起こした拓馬は、ガイコツを前に再び剣を構えた。


もう、走れない。次に背中に攻撃をくらうと、鎧は砕け肉がえぐれる。


背中は、見せられない。こいつを、倒すまで……


「フー、フー」


呼吸が乱れる拓馬。怖い。


ガイコツも剣を構えると、再び拓馬目掛けて切りかかった。


その攻撃を剣で受けようとする拓馬。


ギィィーン!


ガイコツのものすごい力に剣は弾き飛ばされ、拓馬のわき腹に命中した。


再び横に吹っ飛ぶ拓馬。ドサッと転がると、痛みに耐えすぐに立ち上がった。


すぐに剣を振るガイコツ。それを前転して間一髪で避けると、弾かれた剣を拾い上げガイコツの左足を切る。


骨こそ切れなかったが、その衝撃にバランスを崩し、倒れるガイコツ。


「今だ!」


町に向かって走りだす拓馬。


ガン!


「え……」


急に襲い掛かる、足の激痛。


「嘘だろ……」
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