現実RPG
諦めた拓馬は、武器屋を出た。そのとき、ふと思う。


「あ!」


拓馬は近くにある民家に適当に入ると、タンスや壺の中を調べた。


「そうだ、ゲームなんだ!何か、アイテムがあるはずだ!」


しかしこの家には、無い。


すぐに、もう一件入り、またクローゼットやタンスを探す。


しかし、どれも中は空っぽだった。


「くそ!」


苛立ち、家の壁を殴る拓馬。


再び襲い掛かる絶望。


拓馬は家の外へ出ると、その場に座り込み、深いため息をついた。


でも、ここにいてもいっこうに前へは進めない。そのことだけが、はっきりしていた。


「行くしか、ないのか……」


町の出口を見る。外は、相変わらず草原が広がっていた。


とりあえず、町の近くで弱いモンスターと戦って金稼ぎでもしようか……いや、ガイコツが来たら、終わりだ。


「ええい、行くか!」
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