現実RPG
サッと振り向く拓馬。


そこには、武装した兵士のような男が立っていた。


手には長い槍を持っている。目が赤い。こちらに向かって構えている。


「くっ、モンスターか!」


拓馬は剣を抜くと、構えた。


よく見ると、その兵士は人間ではなく、人形だった。怯える拓馬。


「こいつは、強ぇのか……?」


そう呟いた瞬間、拓馬に向かって槍を突く人形兵士。


拓馬は驚いて反応が遅れたが、その剣速は、ガイコツとはケタ違いに遅い。


「見える!」


スッと横にかわした拓馬は、人形兵士に切りかかる。


拓馬の剣は見事に胸部を切り裂いた。ヨロッとする人形兵士。


だが鎧のおかげで、あまり傷は深くはないようだ。


再びすぐに攻撃を繰り出す拓馬。


「おおおおお!」


拓馬の剣は、人形兵士の胸部を貫いた。


バタリと倒れた人形兵士はスッと消え、そこには1000円が落ちていた。


拓馬は1000円をポケットに入れると、再び歩きだした。
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