現実RPG
ゲームスタート
「……ここは?」


目が覚めると、拓馬はベッドの上にいた。どうやら、どこかの家の中のようだ。


「おお、目が覚めたか、拓馬」


その言葉に、ビクッと反応する拓馬。


サッと振り返ると、そこには優しそうなお爺さんが立っていた。


「……あんたは?」


拓馬は体を起こすと、激しい頭痛に襲われた。


「痛っ……」


「拓馬よ。今日は、王様からお前にお話があるそうじゃ。さぁ、行ってこい」


「……は?王様?」


お爺さんの言葉が全く理解できなかった拓馬は、頭を抱えながらベッドから出ると近くにあった椅子に座った。


「王様って?なんだよ、それ?」


「さぁ、行ってこい」


「は?」


「さぁ、行ってこい」


「ここ、どこだよ?」


「さぁ、行ってこい」


「なんだ、このジジイ……」


同じトーンで、同じことしか言わないお爺さんを不気味に思った拓馬は、家の出口へと向かった。


出口にはドアは無く、外からの光が差し込んでいた。


拓馬はフラフラと出口の近くまで行くと、振り返りお爺さんに言った。


「爺さん。ここは、どこだよ?」


「さぁ、行ってこい」
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