現実RPG
「なんだ、俺、だんだん強くなってんのか?」


そんな事を思いながら歩いていると、塔が見えてきた。


おそらく、ジャーミス塔だろう。


「あれか……」


拓馬は塔に近づくと、入り口に人影が二つあることに気づく。


だんだん近づくにつれ、それがはっきりと見えてくる。


人形兵士だ。扉の両サイドに、門番のように立っている。剣を構える拓馬。


人形兵士の強さを知っている拓馬は臆することなく、どんどん歩いて近づく。


30メートル。


20メートル。


10メートル。


後5メートルほどの所で、剣を振り上げ走り出す拓馬。


「おおおお!」


右に立っていた人形兵士の頭部目掛けて、両手で剣を振り下ろす拓馬。


人形兵士の兜は砕け、バタリと倒れ消えた。


そのとき、背後に感じるの風圧。おそらく、もう一体の人形兵士が槍を突いてきている。


ガキン!


避けようと思ったがすでに遅く、拓馬の背中にヒットした。


すぐに振り返ると同時に、切りかかる拓馬。


剣は人形兵士の体を横に真っ二つに分け、人形兵士は消えてなくなった。2000円が落ちていた。
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