現実RPG
塔の中は、まるで迷路のようになっていた。


入るとまず、三本の分かれ道がある。


再び、自分の体を見る拓馬。足の鎧はヒビ割れ、腹部と背中の鎧が割れている。涙が溢れてくる。


「こんな状態で、進めっていうのかよ……」


そのとき、扉の外で音が聞こえてくる。


ガシャ、ガシャ……


だんだんと、近づいてくる。


「くそ!」


拓馬は涙を拭い、震える足で歩き出した。


どの道に進むと正解なのか解らず、とりあえず左の道に入った。


道は大道路くらいの幅で、少し広めだ。壁は質素で、灰色のコンクリートだ。


コツコツと、拓馬の足音が響く。そのときだった。


ガシャン!


何者かが、塔の扉を開け中に入ってきた。拓馬の心臓がドクンと音を立てる。


ガシャ、ガシャ……


聞こえる。ガイコツの音だ。奴が、中に入ってきた。


手のひらを口に当て、目を大きく広げる拓馬。足がガクガクする。


見つかったら、終わりだ。ゆっくりと前へ歩き出す拓馬。


「フー、フー」
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