現実RPG
「助かった……」


歩き出した拓馬は、ひたすら真っ直ぐの道をただただ歩いた。


さっきよりも、長い。だんだんと、道の出口が見えてきた。


そのとき、心臓の鼓動が鳴る。


もし今度間違えれば、真ん中の道に行かなければならない……


「くっ……」


眉をしかめ唇を噛みながら、拓馬は道を出た。


さっきと同じように、道を抜けると大広間があった。


大きさもさっきと同じで、行き止まりになっている。


よく見ると、部屋の真ん中には一つの鍵が落ちていた。


「あ!あれか、ハートの鍵って……」


拓馬はその鍵を拾い上げると、目を凝らしてよく見た。小さく、ハートの絵が彫ってある。


「多分、これだな!」


鍵をポケットにしまうと、再び道へ向かう拓馬。


その瞬間、拓馬が通ってきた道への扉がバタンと閉まる。


「え!」


すぐに扉を開けようとする拓馬。しかし扉は、ビクともしなかった。


「なんだよ、これ……」
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