現実RPG
そのとき、背後に気配を感じた。


振り返ると、部屋の真ん中に赤いマント、赤い帽子を被った人影が俯いている姿がある。


「あんた、誰だ?」


拓馬がそう声を掛けた途端、人影は顔を上げた。


「!」


その顔に、驚く拓馬。顔全体が影のように黒く、輪郭が見えない。目が赤く光っている。


「モンスターか!」


剣を構える拓馬。モンスターの格好からして、おそらく、魔導師のようだ。


「……」


今までのモンスターと違って、どんな攻撃を仕掛けてくるかわからない。


拓馬は相手の攻撃を待った。


「来い!」


叫ぶ拓馬。その瞬間、魔導師の姿がフッと消える。


「!」


キョロキョロと辺りを見渡す拓馬。背後に、気配を感じる。


バッと振り向いたそこには、魔導師が立っていた。


右手を拓馬に広げてかざす魔導師。唖然とする拓馬。
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