現実RPG
勝率0%の絶望
町を出ると、拓馬は遠くに見える家に向かって歩きだした。


ここから、10分程で着きそうな距離だ。


家にだんだん近くにつれ、はっきりと見えてきた。


町にある民家のような家ではなく、白く、現代的な建物だった。


拓馬は扉を開け、中に入った。


一人の青年が、椅子に座っている。剣を腰に挿し、見たことのない青色の鎧を着ている。


青年は、拓馬に話し掛けてきた。


「よく来た、拓馬。私は大魔法使いの水を司る、アルスと言う」


「大魔法使い……」


その言葉を聞き、前の町の住人が言っていたことを思いだす。


「5人いるってやつか……」


「光魔法、拓馬よ。私はすでに、すでにアークデーモンの呪いによって戦うことができない。お前の戦闘を助けることはできないが、これを持っていけ」


アルスはそう言うと、小さな青色の石のような物を差し出した。受け取る拓馬。


「なんだよ、これ?」


「他の大魔法使いに、会え。石が五個集まるとき、お前は最強の戦士になるだろう」


「石って、これのことか?」


「さぁ、行くがよい」
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