現実RPG
「おい、おい……」


今度は、ボーンナイトが剣を掲げた。


ザン!


何が起こったのか、わからなかった。


激しい音と共に、拓馬の体は後方に吹っ飛んだ。


地面に叩きつけられると共に、後ろ回りに一回転し、仰向けにドサリと倒れる拓馬。


「うっ……」


ゆっくりと立ち上がる拓馬。すでに、ボーンナイトは目の前にいた。


「こいつ、強ぇ……」


剣を構える拓馬。しかし全く意味が無く、またしても左頬にくる衝撃。


衝撃と同時に、拓馬は右に一回転しながら吹っ飛んだ。


じわじわくる、頬の痛み。攻撃が、速過ぎて見えない。


頬を押さえ、ゆっくりと立ち上がる拓馬。


目の前には、ボーンナイトが立っている。


「避ける、防ぐとかの問題じゃねぇぞ、これ……」


そのとき、拓馬は自分の鎧に目がいった。


あんなにも丈夫だった鎧が、ヒビ割れていることに気づいた。


「やばっ……強すぎる!」


そう思った拓馬は、一目散に町に向かって走り出した。
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