現実RPG
「もう、薬草はねぇんだよ!生身に喰らったら、終わっちまう!」


全力で走る拓馬。しかし、ボーンナイトの足は拓馬のそれを上回った。


すぐに、拓馬の前に回り込むボーンナイト。


「速い……」


再び、剣を構える拓馬。心臓が速くなる。


構えた剣先が、カチカチと音を立てている。手が、震えていることがわかった。


「くっ……」


再び、ボーンナイトに切りかかる拓馬。


しかしやはり、盾で簡単に防がれた。


すぐに下がり、構える拓馬。そのとき見える、一筋の希望。


「防ぐってことは……当たれば、ダメージがあるってことだ!」


そう思い、何度も何度も攻撃する拓馬。


しかし、どこを狙っても、盾や剣であっさりと防がれてしまう。そのときだった。


ザン!


再び、激しい衝撃に襲われる拓馬。


再び吹っ飛び、尻餅をついた。じわじわとくる、腹部の痛み。


痛みは、さっきよりも大きかった。


「うっ……」
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